朝 紅龍前
はなとホイが出てくる。
は 「行って来ます。」
ホ 「行ッテ来マス。」
二人の後から、尾行を始めるきなこ。
途中の道で別れる二人
は 「じゃ。きょうもがんばってね」
ホ 「ハイ！」
は 「じゃあねぇ」
はなと別れて、悲しい顔になる凱歌。
電車 プラットホーム。
いつもと違う方向に行くホイ。尾行するきなこ。
工事中のビル
ビルの中に入る凱歌。
追うきなこ。
ビルの上の方の階に入り、中を見渡す凱歌。
コンクリートの柱に手を置くと、下からかなりの風が吹き、凱歌の前髪を揺らす。
きなこが隠れて凱歌を見る。
きなこが下の景色を見ると日本庭園が広がっている。
それからもう一度凱歌を見る。
凱歌セメント袋(?)を窓際に置く。
その上から、ライフルを構えるシミュレーションをする。
それを見て驚くきなこ。
手を口に当て、息が荒くなり悲しむ。
午後３時頃 日本語学校。
清水と船木がやってくる。
清 「警視庁国際部です…ここ数日間に来日された中国人の方は…いますか？」
凱 「ハイ…」
手を挙げる。
船 「日本語わかりますか？」
凱 「スコシ…」
船 「お名前は？」
凱 「チャン・ホイ」
船 「どこに泊まってますか？」
凱 「ガク・セイ・リョウ…」
船 「１日の午後と３日の夜、どこに居ましたか？」
凱 「コレカラ…バイト」
清 「バイトがあるの？」
凱 「時間…ナイ」
警戒する凱歌。見つめる船木。
船 「では明日もう一度伺います。その時ゆっくりお話を」
清 「失礼しました。」
去っていく二人。船木の目に訝しがる凱歌。
警視庁 国際部国際二課
きなこ頭を抱えて席に座っているが、思いたって、立ち上がる。
警視庁 対策本部
二課の捜査員達が集まっている。
黒 「パーティに出席する意向を固めたようですねぇ」
青 「合併を予定している外資系企業とのパーティらしいです」
黒 「困ったねぇ」
青 「よりによって、こんな時になぁ」
船 「大野会長が狙われている事は間違いないでしょう。」
矢 「警備部からも正式に協力要請がありました。」
き 「課長」
きなこの声にみんなが振り返る。
清 「あ。円道寺君」
き 「お話が…」
黒 「明日、大野会長が屋外のパーティに出席するそうだ。」
青 「我々でボディガードをする事になった。」
船 「正午、千秋閣の日本庭園だ。いいな」
きなこ今日のビルから見下ろした場所を思い出す。
黒 「あの辺徹底的に調べろよ。結構高いビルがあるからな」
船 「…お願いします。」
夜 紅龍 円道寺家
きなこ悲しい後ろ姿。
美 「おまたせぇ〜。さぁー食べなさーい」
お寿司をちゃぶ台に置く。
は 「わ〜っ。おいしそう〜」
美 「お寿司よ〜。ホイさん初めてでしょう？あら！きなこも早く座って」
はながお寿司をつつこうとすると、美智がその手を叩く。
美 「もう！ホイさんから」
はなに微笑むホイ。
美 「このお醤油ちょっーとつけてね」
ビールを牛田についでもらうホイ。
ホ 「イタダキマス」手を合わせる。
ホイを見つめるきなこ。
美 「どうぞ。どうぞ。」
お箸を取ろうとするホイ。
牛 「あぁホイさん。手でいいですよ。手で」
は 「ほら。こうやってつけて…んー。お父さん。おいしー！」
台所で寿司をにぎる雁太郎。
雁 「当たりめぇだよ。これがおれの本職なんだから。おぉっ！どんどん食えよー
遠慮すんなー」
それを聞きながら、お寿司を口に入れるホイ。
しばらくして、わさびの辛さに驚き、鼻を押さえ急いで吸物を飲むホイ。
は 「あっ。わさび効き過ぎたみたい。」
美 「雁太郎！わさび抜きって言ったでしょう」
は 「大丈夫？」
茶の間にやってくる雁太郎。
雁 「寿司ってやつはなぁ。舌にピリッとこなきゃいけないんだよ。
それが日本の味なんだよ。」
は 「無理だってばぁ。ホイさん中国の人なんだから。」
雁 「おれはそうは思ってねぇよ
ホイはうちの家族だ。…おれのせがれだったら、わさびくらい。なんだぃ」
それを聞いて、喜ぶホイ。またお寿司をつまみ、辛さを我慢するホイ。
美 「(笑いながら)ホイさんかわいそう…」
みんな(きなこ以外)笑う。
雁 「おぃ。きなこ。おめえ全然飲んでねぇじゃねぇかよー。飲めよぉ
(ホイに)あんなぁ。わさびに慣れたら今度は酒だ。おれのせがれだったら、
飲めなきゃ…これが我が家の掟だぞ。」
は 「自分が飲みたいだけでしょう」
雁 「うるせえよ。おめえは飲んでろよ。…なんだばかやろう。
なんだジュースか？そりゃぁ。」
美 「どうしたの。きなこ」
は 「おねぇちゃんホイさんとケンカでもしたの？」
美 「うん？」
きなこ二階へ上がっていく。
美 「何？」
雁 「なんだ。あいつは？ホイさんに惚れたってか？んな訳ねえか？」
みんなで笑う。
心配するホイ。
物干し台。
ホ 「どうしたんですか？あなたはいつもぼくの心配してくれた…
ぼくだって…心配してもいいですよね。
家族って…ぼくはずっと一人だったから…初めてわかった。
家族といると温かくなる事…寂しさ忘れられる事…」
きなこ思い切って振り向く。
き 「あたしも…あなたに隠してる事ある。あたし…本当は…本当はね…」
どうしても言えない。
ホ 「…明日ここを出ていきます。
ポォ・ジュエ・ブ・フェィ・ワン・チ・ニ・ダ(君を忘れない)」
き 「(首を横に振り)なんて言ったの？」
ホイ、きなこに近づき頬を交互に寄せる。
しばらく見つめ合って、また下に降りるホイ。
きなこ胸が締め付けられる。
階段のところで下のみんなの声が聞こえてくる。
雁 「明日は。明日はな。一つなホイさんにな。焼き肉ごちそうしてやろうじゃねぇか」
みんな 「いいねぇ」
美 「じゃ。ほら。加藤肉店に。また頼んじゃって。ほら」
牛 「あ。じゃぼく明日行って来ますから。」
それを聞きながら寂しくなるホイ。
10/6 終
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ノ…この時の二人のスナップ写真が微笑ましいよ。
←尾行中。きなこさん、前からやってきた女の人と
ぶつかりそうになります。
←これは何階でしょうか。
←ＴＶ…CM
またまたまたまたニキビです。
なんだか前髪が伸びてる。
ノ…日付が違います。
「なんだばかやろう。なんだジュースか？」
↑雁太郎さんのアドリブでしょう。
中メ…お手上げ ＼(_ _)
加藤肉店って…アドリブ？演出？
しかもドリフつながり？？
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